今回は、私が実際に顧客対応をする中で使っている
『比較的早期にクレームを鎮火させる方法』や『怒りを沈めやすい話の流し方』を紹介する。
ビジネスの場や、対人関係など
怒っている人を相手にしなければいけない状況というのが時折発生する。
それが職務上の相手や、クレーム処理だったりする場合
対応を間違えると、更に話が大きくなって
自分より上の立場の人にまで話が流れてしまい、けっこう面倒なことになったりする。
そうなってしまうと、どちらが正しいかはさておき
『面倒な話を持ち込んだ奴』として認定され、あらぬ迷惑を被ることにもなり得る。
話の内容はケースバイケースなので『これを喋ればいい!』というワンパターンな方法はないが
心理学に基づく、相手の怒りを効果的に鎮静する話の流し方というのがある。
怒り狂う相手の効果的な鎮め方
まずは黙って全て聞く。
まずは、初期対応。
相手の話を一才遮る事なく、聞きに徹すること。
意見を求められた場合にのみ口を開き、他は全て聞きに徹すること。
これに尽きる。

これは『ディスペーシング』という。
怒りに燃えている相手のペースに合わせず、こちらはあくまでも冷静に応対する。
特にクレームを入れてくる人というのは、双方の大事な時間を割いてまで物申したい人なので
とにかく文句を言いたくて仕方がない状態にある。
その文句にいちいち口出しして遮ってしまうと
相手としては、言いたいことが言えず更にフラストレーションが溜まっていく。
そうなると、初期よりもずっとイライラが増しているような状態になるので
最終的に、『話にならないから上のやつ出せ』となってしまう。
どんなに怒り狂っている人でも、一方的にずっと喋っていると
いずれは喋ることがなくなってくる。
思いの丈をぶちまけ続けることで、後半はネタ切れで失速したような状態になる。
まずはその時まで聞きに徹して、相手の勢いが無くなるのを待ち続けること。
今の状況を素直に詫びる
相手が一通り話し終えて、多少勢いが落ちたような状態になってきたら
多少は冷静になってきている証拠なので、こちら側の話を聞いてもらえる可能性が高い。
ここで一旦お詫びの言葉を入れるが、何でもかんでも謝らないことがポイント。
(とりあえず謝っておくというのは、かえって不誠実に見えて逆効果になる。)

あくまでも
『不快な思いをさせたこと、今こういう状況にあること』に限って素直に詫びること。
もし正しく伝わっていない事情や正当な理由がある場合は、その後に説明すること。
・こちらに非がある場合/ない場合
・不可抗力であった場合/ただの不注意であった場合 など
状況は色々あると思うが、最初に説明から入ってしまうと
それがいかに正当な話であっても、聞き苦しい言い訳に見えてしまう。
そして、今後同じことが起こらないようにする為の防止策を伝える。
(これはあらかじめ考えておく必要がある)
こうすることで、
その場しのぎの謝罪ではなく、誠実に対応しているという印象を与えることができる。
最後に感謝の言葉を伝え、相手の承認欲求を満たす
最後に、あえて感謝を伝えることで
相手側の承認欲求を満たし、深層心理に気分の良い状態を作る。
例としては、
『改善のきっかけを与えていただいたこと』
『無言で見限ってしまう方もいる中、こうしてご指導を頂けていること』
などに対して、心からの感謝を伝えること。

訴えに対して謝罪を行うだけではなく、感謝を伝えることで
自分は攻撃対象ではなく仲間だと深層心理に意識させることができれば、その後の付き合いがずっと楽になる。
大抵の怒りは3ステップで鎮火する
怒りを鎮める3ステップ。
それは『謝罪、再発防止策、感謝。』
たいていの場合、
ひたすら謝罪に走ってしまうことでその場しのぎ感を与えてしまったり
今後の話をしないことで、前向きな印象がなかったりする。
これらをポイントとして押さえてしっかり対応しておく事で
相手に対して誠実な印象を与え、早期解決と関係改善が楽になる。
謝罪は複数回行うのも効果的
心理学で『ザイアンスの法則』というものがある。
これは、接触する回数が多い人にほど親しみを抱きやすい効果があるというもの。
これを応用し、謝罪を行う際にもパターンを変えて複数回の謝罪をするのも効果的。
・メールで謝罪をしたのなら、会ったときに再度。
・会って謝罪をしたのなら、その日の夜にメールで再度。
・全て解決したのち、後日会ったときに再度。
こうする事で、相手側も『もういいよ』という感覚になりやすくなる。
問題を起こさない能力より、問題を解決する能力

仕事や私生活上では、必ず何かしらのトラブルや問題は発生する。
生きている以上、仕事をする以上は問題を起こさないのはほぼ不可能。
大きな問題を起こさない人というのは、ほとんどの場合
『大した仕事をしていない人』か『問題を隠している人』だけ。
トラブル対応は決して気の進むものではないが、
経験を積んでスキルアップしていくには
こういったことに上手に対処できる能力(対人スキル)は必須の能力になる。